展示会研究成果&ポスター

2025年度   2024年度

□BioJapan2025 会期:2025年10月8日、9日、10日


●テーマ「毛髪の再生医療および細胞外小胞を用いた脱毛症治療」(大学院工学研究院准 教授 福田 淳二)
 本研究が対象とする疾患は脱毛症、とくに男性型脱毛症です。全世界に多数の患者が存在するこの疾患に対し、研究チームは細胞外小胞およびmicroRNAを活用した革新的な治療薬の開発に取り組んでいます。

細胞外小胞は、細胞間の情報伝達に関与する機能性粒子であり、その内部に含まれる分子は、細胞の種類や培養環境により大きく異なります。我々は、独自に最適化した培養環境のもとでヒト毛乳頭細胞から得られる細胞外小胞そのもの、ならびにそれに含まれるmicroRNAの解析を通じて、治療効果の主体となる分子を特定しました。これらを応用した新規治療法の確立と医薬品化を目指して研究を進めています。

●テーマ「骨格筋が分泌する運動効果のシグナル:分泌因子から健康に向けた身体変化の検討」(教育学部 助教 時野谷 勝幸)
 本研究室では、運動によって分泌される生理活性物質が全身の健康に与える影響を、検討しています。特に、骨格筋から分泌される生理活性物質は「マイオカイン」と呼ばれており、当研究では、動物実験および初代骨格筋培養細胞(下図)を用いてその解析を行っています。

運動刺激によって分泌される因子の網羅的な同定と、それらが代謝や炎症応答に及ぼす作用機序を明らかにし、骨格筋由来因子を介した運動効果の分子基盤を解明することを目的に研究を進めています。

③培養細胞を対象とする実験 
マウス骨格筋から単離した初代培養細胞
筋管細胞の収縮実験
①ヒトを対象とする実験
オールアウト(筋肉を極限状態まで使い切る)試験の様子
 

 

 

②動物を対象とする実験

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□CEATEC 会期:2025年10月14日、15日、16日、17日

●テーマ「液体金属を利用した超柔軟ガスバリアフィルムと伝熱フィルムの開発」(学院工学研究院 准教授 太田 裕貴)
 液体金属を用いた材料研究として、高ガスバリア性を示す伸縮自在フィルム※1と高熱伝導性を持つ柔軟な伝熱フィルム※2を開発しました。

両者は異なる機能性を示しつつ、共通して次世代ウェアラブル機器やバッテリーに必要な性能を提供する。本研究はエレクトロニクス分野において信頼性と機能性を兼備した革新的フィルム材料の可能性を示すものである。

 

※1 ガスバリアフィルム:液体金属コーティングによる優れた不透過性を活かし、変形可能な電池における長期安定性の確保を実現する。

※2 伝熱フィルム:液体金属の高い熱伝導性とポリマー基板の柔軟性を組み合わせることで、高発熱デバイスの効率的な放熱と機械的適合性を両立する。

 

□2025国際ロボット展 会期:2025年12月3日、4日、5日、6日

●テーマ「超軽量・高精度ホロノミック自走ロボット」(大学院工学研究院 准教授 渕脇 大海)
 従来の精密生産設備は、重厚長大な単一製品を、高効率に大量生産するために、高荷重、高精度、高速度を実現できる直動ステージを採用してきました。しかし多軸化する程、低層ステージは、高層ステージも含めて運搬する必要があるため、慣性力が過大に発生し、周囲の精密機器へのノイズ源となります。そのため、要求される精密位置決めの精度が高くなるほど、高価な除振装置と、工場と床面の高剛性化が必要となり、コストが指数関数的に増大していくなどの課題があります。本研究では、これらの課題を解決するために作業ツールの配置・軌道の超自在化、超軽量化を可能とするXYΘの独立三自由度を有する「ホロノミック型精密自走機構」の研究を蓄積してきました。その特徴は次の通りです。

・小型・超軽量・高分解能・ホロノミック動作で、狭所の精密作業を自動化

・精密ステージとロボットの特長を融合した超高機能な手のひらサイズの小型自走ロボット

・新開発XYθサーフェスエンコーダによる広範囲でのサブ㎛分解能の精密経路追従を実現

・XYθ軸のホロノミック動作(任意軸回転、全方向直進動作)により最適経路を生成

・既存機器の隙間・机・チャンバー(真空・クリーン・ドラフト・バイオ)で使用可能

・広く薄く存在する精密なニッチ作業を自動化するために低価格かつ高い汎用性を実現

・搬送・設置・廃棄・安全対策コスト無し、最初から「協働ロボット」

・ツール換装,複数台作業により、カスタマイズ性が高く,応用の幅が広い

・作業ツール(液架橋力グリッパ、液中渦流グリッパ、インジェクタ、プローブ、半田ごて)

 

 

●テーマ「超軽量・高精度ホロノミック自走ロボット」

(大学院工学研究院 准教授 渕脇 大海)
※2025国際ロボット展に同内容を展示

■過去の展示会情報

2024年度

Last update:2025/10/02