機構長挨拶

世界水準の研究大学に向けて 

理事(研究・財務担当) 三宅 淳巳

横浜国立大学は,2010年7月に,それまでの産学連携推進本部に加えて,研究力強化と研究支援を推進する研究戦略推進本部を設置し,これらを統合して研究推進機構を立ち上げました.その後の組織改編に続き,2020年度には,激しく変動する社会の情勢を把握し,その要請に応え,機動的に活動できるよう,さらなる組織改編を行いました.2021年4月現在,本機構は研究戦略推進部門,産学官連携推進部門,機器分析評価センターの2部門1センターによる構成で,研究力向上のための方策をさらに強力に推進する体制により活動しています.

研究戦略推進部門では,2020年度に本学の研究推進体制の構造を明確化し,実践的学術の研究拠点としての「知の統合型大学」たるべく,研究力強化に向けた本学の研究スキームを策定しました.学長visionによるYNU研究拠点の重点化から先端科学高等研究院(IAS)の研究ユニットへの発展,さらには研究センター設置に至るスキームにより,本学の看板となる特徴的で競争力のある研究グループの育成と発展を推進しています.

この結果,2020年度には先端科学高等研究院に新たに2つの研究センターを設置し,世界最先端の研究を展開するとともに,その成果や手法を学内に還元することにより知の創出の循環システムを構築することで「世界水準の研究大学」に向けて全学が一丸となって進んでいます.

また,豊富な実績と見識を持つURA(University Research Administrator)を配置し,各部局から選任されたRPO(Research Planning Officer)とともに充実した大学研究情報分析を行い,各部局への適切な情報展開と研究企画,研究支援を行っています.

産学官連携推進部門では,様々な社会課題を解決すべくオープンイノベーションを推進し,研究成果を広く社会に還元していくことを目指し,大学と企業等との組織的連携を推進し得る持続的な関係を構築するべく,企業等と未来ビジョンを共有する連携プロジェクトの企画・推進をサポートする体制を整えています.また,YNU地域戦略方針「④地域の産学官連携・産業振興」に貢献するため,共同研究・受託研究等により産業界や自治体等との持続的な連携を重視するとともに,大学が有する知的・人的資源等を活用し,産学官公金連携により地域産業の振興及び地域社会の発展に取り組んでいます.さらに,共同研究・受託研究等に至る前段階での技術相談やアドバイスを行う学術指導制度を新たに設け,産業界等からの要請に応えています.

機器分析評価センターでは,教育研究支援を遂行するとともに,高校生向け機器分析体験プログラムや社会人向け公開講座の開催等の教育活動を介して地域社会に貢献しています.さらには学外(神奈川県内を主とした企業等)からの分析依頼や問題解決コンサルティングを受託しており,産学連携事業も積極的に推進しています.

以上のように,本機構では,独創的で多様な研究を進める各部局での研究をベースに組織化された研究体制により,文理融合,分野横断研究を目指し,境界を超えて組織や研究者をつなぎ,新たな学術領域の創生と地域・社会への貢献のため,本学のvisionの達成と「世界水準の研究大学」に向けて研究,連携を推進して参りたいと思いますので,更なるご支援,ご協力をどうぞよろしくお願いいたします.

Last update:2021/04/01